意外とよく聞かれて悩む問題の1つ。
SEOで1位を取ったらPPCの出稿は不要?必要?
何かしらのサービスや通販サイトなどを運営していたり、店舗集客などをする事業をされている方であれば、一度は考えたり悩んだりした事があるかもしれないのが、このタイトルの1位を取ったら広告は止めるべきかという点です。
今回はそれについて、ちょっとまとめていければと思っています。
広告と自然検索では自然検索の方がクリックされやすい
SEOなどのいわゆる自然検索で1位を取得した場合と、リスティング広告などお金を使って最上段の1位的なポジションに表示させた場合、広告の方が上部にあるにも関わらず、自然検索での1位の方が、はるかにクリック率が良いです。
本来であればリスティング広告の方が枠としては上にあるため、ユーザーの目には付きやすいです。
しかしながら、実際に自然検索の1位と、リスティング広告の一番良い場所の掲載で比べても、自然検索での1位の方がクリック率は遥かに良いです。
例外的なことはあるかもしれませんが、今までの自分の経験でもそういう数値が間違いなく出ていますし、自然検索での1位とリスティング広告での1位の表示では、見た瞬間に目に入るのは広告枠ですが、実際にクリックされる数としてはやはりSEOの自然検索の方なのです。
では1位を取ったら広告を止めた方が無駄な費用がなくなる?
結論から言うと、自分は広告は出すことを推奨します。
このあたりは考え方や予算的なところなど複合的に考えて決断するべきではあるので、一概にこれが正解とは言いにくいところはありますが、それでも自分としては出す事を推奨しますし、出すべきと考えています。
一昔前までは、自分も自然検索で1位を取ったら、そのキーワードで広告は止めて良いんじゃない?と考えていました。
ですが、今では、ほぼ全ての自分の関わる案件では、自然検索で1位を取ったとしても、リスティングの広告でもそのキーワード関連でも出稿していますし、止める事はクライアント側がどうしても辞めてくれと言われた時以外はありません。
検索結果で1位の方がクリック率も高いと実際の数値からも出ていて、実際に自然検索でも1位を取っているのに、なぜリスティング広告も出すのか?それはとても簡単です。
答えは簡単で両方出した方が成約率が結果的に良い
これに尽きるのです。
SEOのみの自然検索で1位表示している時と、SEOで1位表示させて、さらに同じキーワードでリスティング広告でも掲載しておいた場合では、成約率が変わってくる場合があります。
イメージとしてはこんな感じです。
- 両方を試してた数値を取る
- リスティング広告だけを止める
- 再びリスティング広告を出す
こうすると、1と3ではだいたい同じ数値あたりに落ち着くのですが、2の時だけは成約率が落ちるというケースが度々発生してしまいました。
SEOによる表示と広告による表示で接触回数が増え安心感を与える
ただ情報を求めているようなユーザーであれば、それほど気にしないかもしれません。
しかしながら、何かしら資料請求をしたり、購入を考えたり、行って見ようかどうかなどアクションを起こすユーザーの場合だと、同じような検索を何度も調べたりするものです。
初めて検索して、おっけー!わかった!すぐ資料請求してみよう。というケースは実際にはあまり多くはなく、初めて知ったり認知した事から、その口コミだったり体験談だったりを調べたり、もう少し時間をおいてから再度調べてからといったケースも多く存在します。
もちろん1回だけ調べてその場で申込みをしたり行って見るという方もいますが、調べて、再度検索して調べて、他のサイト見て調べて、そしてまた検索に戻ってくるなんて行動パターンも多いのです。
単に有名店や多く店舗出したりしてるお店の方が安心感がある。と思われるんですね。
実際の世界でも同じようなものですよね。極端な例を出してみましょう。
ヴィトンのブランドバッグが販売されていて、そのバッグは複数人の鑑定士が本物と謳っているバッグです。
1つは、何店舗も支店を出しているお店で売られています。
もう1つは、近くのお店で支店などはないお店で売られています。
どちらも本物だったとして、価格も本物だったとしたら、人間的心理としては、やはり支店とか出してる方が安心だよな。といった方へ動きやすいものです。
例は極端ですが、検索結果の1位にも出て、リスティングの欄にも出てるとユーザーにはある程度の安心感を与えれるのかな?と思います。
抑えている枠によって外部へ流れる事を防ぐ
SEOで検索結果の1位に取ったから、リスティング広告を辞めた場合、その自分がいたであろうリスティング広告の掲載1枠分は、いわば同業他社の広告が出ることになります。
それはいわば、競合へのアシストになりかねません。
そこに自分の広告が出ていたら成約してたかもしれないユーザーが、自分が広告を出していないがために、競合へ行ってしまって申し込んだという可能性があるわけです。
- その枠に出ている会社がまったく同じサービスをしていたら?
- その同じサービスなのに、自社より価格が安かったら?
- 価格は同じなのに、サービスの質が相手の方が上なら?
もちろんこういう場合は、そもそも競合にサービスの質などで負けているので見直したり色々と根本的に直さないといけないのでは?と思いますが、逆だったらどうでしょうか。
自社より相手の方が価格が高く、質は自分たちの方が相手よりも良い。
にも関わらず、自分たちが出していた広告の枠にその会社が出して1位表示のため、たまたま見たユーザーがそれをクリックして、申込をしてしまったというケースもあり得なくはないわけです。
こいうったように、ユーザーは自然検索の方を好んでクリックしやすいのは間違いないですが、広告の枠をクリックしない。というわけではありませんので、自分たちが出すのを辞めるという事は、競合にその枠を譲るという事でもあります。
面と枠を押さえて囲い込むという考え
SEOで1位を取ったら、SEOとしては万々歳でそのキーワードに対してすることはないとは言いませんが、他に注力していきあとは頑張って維持をするのみです。
しかし、事業的な目線から言うなれば、それで終わってはいけません。
SEOで1位を取ろうとも、全ユーザーを集客できるわけではありません。
SEOで1位を取ったからと言って、リスティング広告を出さないでいると、同業他社に持っていかれる可能性が高まります。
逆に、SEO対策を施して1位を取りつつリスティング広告でも上位に表示する事で、ライバル会社への流入も防げます。
こういった事から、よく聞かれる事も多いのですが、個人的にはSEO対策によって1位を取ったとしても、リスティング広告を辞める必要性は全くないと思います。
まとめ
人によって考えは様々かもしれませんが、現場に携わっていたり、SEOや広告運用をしている側に近い立場であればあるほど、実際の数値や経験があるので、両方を出す。という方が多いのではないかなと感じます。
経営層やマネージメント層など、現場から少し離れて費用面のことしか見ない層になると、1位取ってるんだから、広告に使うの勿体ないからいらないでしょ。と言いがちではないかなと経験的に感じます。
しかしながら書いてきたように、実際にSEOで1位を取っても広告を止めた方が良いかというのは間違いで、両方そのまま出すのが最適解であるのは間違い無いと言ってもいいくらい自分は推奨しています。
一昔前までは割と両論があったような記憶もありますが、もうこの数年においては、ほぼ現場に携わっている人たちの意見としては、両方出しましょう。という答えに一本化されてきているような気がします。
SEOで頑張って1位を取れるように狙いつつ、取ったとしても変わらず広告も出し続ける。それによって一番良い結果が得られるという事になるかと思いますので、それを続けていくようにしましょう。
記事のシェアにご協力お願いします