独自ドメインと楽天などのモールへの出店。
ECサイトにおけるそれぞれの特徴や違いについて
ネットショップをオープン、構築、開店しようと思う際に、初めての方が悩む問題の1つに、楽天市場やヤフーショッピングなどのショッピングモールに出店するのが良いのか、それとも独自ドメインを取得してネットショップをオープンするのと、どちらが良いのか?という問題があります。
このあたりは経験者であればもうそれぞれのメリット・デメリット、違い的なところは知るところではありますが、これからネット参入する、リアル店舗系の人がECサイト作って販路拡大を狙うぞという場合は、専門外で結局よくわからない…となりがちです。
今回はそんなネットショップの立ち上げを検討されている方向けに、独自ドメインやショッピングモールなどのそれぞれの特徴やメリット・デメリットをまとめてみました。
大前提として、どちらかが良い・悪いという事は無い
そもそもの大前提としての話にはなりますが、独自ドメインの方が優れている、モールの方が優れているといったどちらかが良い・悪いというような明確な答えは存在しません。
それぞれにメリットとデメリットがあり、どちらが良いかというのはそれぞれの立場や環境などによって変わるものです。(イメージしやすい例を挙げれば、持ち家と賃貸のどちらが良い・悪いかに似ているかと思います)
そのため、どちらが良いのか悪いのかではなく、それぞれの特徴と違いを知った上で、自分たちならどうするか、どちらが合うのかを考えていく必要があり、そこを理解せずに進めてしまうと、ネットショップを立ち上げた後で、あれ??なんか思ってたのと違う…と後悔する事になりがちです。
それぞれの特徴やメリットデメリットをきっちりと押さえた上で、今の自分たちの現状ではどちらがいいのか?を判断しなければいけません。
今だけでなく将来性も考える必要がある
独自ドメインでいくのも、モールなどを使うのも当然ながらどちらにもメリットがありデメリットがあります。
もっと言ってしまえば、モールを使う事のメリットが独自ドメインでのデメリットに、モールを使う事のデメリットというのは、独自ドメインのメリットというそれぞれが対になっているような関係性です。
このあたりはネットショップだけでなく、実店舗などでも同じと言え、そちらの例を出した方がわかりやすいかもしれません。
完全に独立店として飲食店などのお店を出すのと、ショッピングモール内の飲食フロアに出すのとでは、それぞれのメリット・デメリットなどがありますし、ネットショップもこれと基本は同じです。
自分たちが何かしなくてもモールには人が集まってきやすいですから、当然ながら「短期的」に考えた場合はモールが有利に見えがちです。
しかしながら、ネットショップだけに限った話ではありませんが、事業はスタートすれば終わりではなく、今のことはもちろん、中期的・長期的な将来的な事も考えた上で選択をしていく必要があります。
最初から将来のことまで考えすぎるのは難しい面もありますが、それでもやはり最初にそこをしっかり考えておかなければ、後になって自分たちがしんどい思いをすることになります。
ショッピングモールと独自ドメインだと、どこで何が違うのか?どっちが自分たちのお店にいいのかなどなどそれぞれを比較して検討してください。
ショッピングモールにネットショップを出店するメリット
まずモールで出店するメリットです。
- ドメインやサーバー、カートなどシステムを自分たちで用意する必要がない。
- モールを使用するため自社用のシステム開発費用などかけずにスタートできる。
- モールに既に多くの会員がいるので集客が独自ドメインより行いやすい。
- それぞれアドバイザーが担当としてつくので、相談がしやすい。
- モールというブランド力ががあるので、ユーザーからは安心感がある
- モール出店者という同じ立場の人間が多く、会合などがあればモール関連の話題で質問がしやすい
このあたりは実店舗もネットショップも似ています。
自分たちだけで新たにスタートさせようとすると、いろんなモノだけでなく、システムから様々なものが必要になってきます。
モールを利用するということであれば、特にネットショップの場合は既にある程度のシステムがモール側にて用意されていますので、そのあたりの手間はもちろん、開発のコストは大幅に抑える事が可能です。
また新規店舗でもモール内に出店していれば、それだけである程度の信頼性は得られます。
新しく作る店舗だと、全く知らない人たちからすると未知の存在になりますが、同じ全く新規スタートで認知度もない店舗であっても、モール内にあればそれだけで信頼が得られるのは新規店にはありがたいと言えます。
自分たちの店を新たに出すのと、例えばどこかのフードコートに出すのを想像するとわかりやすいかと思います。もちろん細かなところを見ていくと他にも色々ありますが、まずは上記のようなメリットが挙げれます。
独自ドメインでネットショップを構築するメリット
次に、独自ドメインのメリットを挙げてみたいと思います。
結局のところ、上でも書いたように、モールでの運用と独自ドメインでの運用のメリットデメリットというのは相反します。
- モールのメリット=独自ドメインのデメリット
- モールのデメリット=独自ドメインのメリット
という事になりますが、独自ドメインのメリットを見ておきましょう。
- デザイン・企画・販促などすべてに制限なく自由に出来る。
- 集めたメールアドレスなど顧客データを自由に管理できる。
- 自由なデザインのため、SEOなど集客面で好きな施策を自由に行える。
- 毎月の使用料や売上げに対するフィーがかからずカート代やサーバー代などのみで運用ができる。
などが挙げれるかと思います。
先ほども書いたように、モールのメリットは独自ドメインでは出来ないことで、独自ドメインのメリットがモールでは出来ないことですね。
特に独自ドメインで自分たちで運営する最大のメリットはやはり自由度と言えます。
モールではモールが定めたルール・仕様に合わせなければなりませんが、独自ドメインで運営するなら自分たちの好きなルールで運営できるようになります。
結局、どちらが良いのか
メリットとデメリットをそれぞれ挙げたとしても、ネットの事があまりわからないという方にとってみればわからないままとなり、結局のところ自分たちに良いのはどちらなのか?というのが判断付かないかもしれません。
そこで、ざっくりとではありますが、どう選ぶべきかというのをまとめておきたいと思います。
初期スタート力が強く安心感があるも不自由なモール
モールは会員情報はすべてモールに属します。
集めたメールアドレスなどを抜き出すことが出来ないところも多いですし違反時には厳しい罰則などが設けられています。
何万通、何十万通集めようとも、独自ドメインにインポートなどは基本的に出来ない事が多いです。
また、あくまでもモールはモール内で完結させなければいけないため、楽天市場などで売ったお客様に、次回は独自の店舗で!なんて案内をすると警告および強制退店などの処置が用意されていることもあります。
もちろんルールなどはモールによりけりですが、基本的にはそれくらいに管理は厳しくなっている事が多いです。
また、当然ながら楽天などを筆頭に外部リンクなどの規則にも厳しいので、1つ1つ申請して、許可が下りてはじめて外部リンクが掲載できるなど、フットワークが重い部分もあります。
しかしながら、その分やっぱり安心感がありますし、楽天1つを挙げてみても、会員数はかなりの数で、楽天側がポイント買い回りやスーパーセールなど、何かしらのセールを勝手にやってくれたりしているため集客にも強いです。
また、大手のモールであれば既に会員という方も多く、自分たちの独自ドメインのように新しく会員登録しなければいけないといった手間が省けるなどのメリットは大きいです。
楽天やAmazonなどであれば、それだけで認知度は非常に高く世間的には安心感がありますし、このサイト大丈夫かな…?詐欺などじゃないよね…といった心配も少なく、楽天内にあるショップといっただけで一定の信頼を得られるメリットがあります。
特によく知らない独自店で個人情報やカード情報を入力するのに少し心配・抵抗があるという人は一定数いるのも事実ですが、楽天ショップであればそれだけでそのハードルが下がります。
万が一詐欺とまではいかなくても、何かトラブルがあったとしても、大手ショッピングモールなら保障も付いてたりするので、ユーザー側からしたら大きなメリットと言えます。
スタート力は弱いけど長い目で見るとブランディングに繋がる独自店
楽天市場のショップはどれだけ売れたとしても楽天内の売上げです。
そのため、楽天で売れたから自分たちの店は売れる店だということで、独自店舗に変えるぞ!となっても、よほど知名度がない限り、そう簡単にうまくはいきません。
実際、楽天店舗で売れた後、独自でやろうとして失敗してしまっている店舗は星の数ほどありますし、もっと言ってしまうと、成功できた店舗の方が圧倒的に少ないほどです。
楽天市場で売れれば売れるほどに、顧客のイメージはもちろん検索結果でのブランド名などの検索も楽天市場に占拠されてしまいます。
「自分のお店=楽天市場のショップ」という図式が成り立ってしまいやすく、楽天などはポイントシステムなどの大きなメリットもあるため、そういうイメージが確立してしまうとなかなかそこから切り替えていくのは難しくなります。
長い目でブランド力を見た時、いずれ楽天ではなく独自のお店をと考える場合は、楽天市場などモールへの出店の力加減などはしっかり考えておく必要があります。
初心者にはモールがやはり安心でもあり強い傾向
独自ドメインと、楽天などのショッピングモールにどちらに出店するか悩んでいる方で、全くの初心者の方なら、やはり楽天などのショッピングモールが集客面のメリットがあるためオススメと言えるかもしれません。
使い方のマニュアルや、集客をモール側がある程度してくれますし、サポートも一応は専属の担当が付いたりもするので、初心者の方であれば安心感はあるかなと思います。
逆にある程度経験を積んでいるのなら、特に集客面でなんとかなるという方であれば、モールを使うメリットよりも独自ドメインのメリットの方が大きいかと思いますので、独自ドメインでやっていく方が良いように思えます。
実際、今歯モールであっても先行者が強くなりがち
ただ、昔と違って今はネットショップも一般的になってきました。
まだまだオンライン販売やネットビジネスが怪しいと思う人が多かった時代ならまだしも、今ではそこまで抵抗なく利用される方が増えています。
そして、利用者数が多くなったこともあり、特にモールなどでは商品を購入するか否かの判断を口コミやレビューを見て比較検討をするため、口コミの数というのは非常に大きな要素を占めるようになっています。
新規オープンの場合でモールを利用する際には、同じモールに出店という立場でも、圧倒的に先行者利益が大きくなりつつあり、新規出店の場合はその口コミ・レビューを集めるための施策が必要になってきているのも事実です。
そのため、ジャンルによっては既にもう超巨大ショップが1強のように半ば牛耳っているような業界もあり、そうなるとモールに出店する方が逆に厳しいという状況になる可能性もあり、やり方次第では、独自ドメインの方が早く売れることも大いにあります。
独自ドメインなら顧客囲い込みなどもモールに比べるとやりやすいかとも思います。
ただ、ショッピングモールには、アドバイザーがいるので、相談できるのは初心者にとっては大きいと思います。
ショッピングモールか独自ドメインか、自分にあったのを賢く選択して運営していきましょう。
EC立ち上げならその前から段階的に戦略を組んで行う
個人的には、独自ドメインで小規模ながらしっかり地に足着けた運営をおすすめしています。
もう楽天と心中する!という意気込みくらいでないと楽天一本というのはそれはそれでリスクだと考えています。
もちろん世の中には楽天一本で莫大な売上・利益を上げているショップも沢山ありますが、今からのスタートでそこに到達しようとするとそう簡単に行えるものではありません。
既にレビュー数が数千件も付いている商品と、これから新しく販売する商品でどう戦っていくのかなどを考えていかなければならないため、同じように色々考えるなら独自ドメインで集客をどうやっていくかを考えていく方が将来的にはメリットが大きいかなと個人的には思います。
また、ECの立ち上げなどはある日突然に今日立ち上げようと決めた!なんてことはそうそうないはずです。構想があってやりたいなーと思ったりして徐々にその機運が高まったりといったようなタイミングでスタートといった流れになる事も多いはずです。
それであれば、集客のために事前に色々と少しずつでも準備してコンテンツマーケティングで集客の施策の準備しておいたり、SNSで認知やブランドを知ってもらう運用をしておいたりなど、立ち上げるまでの準備期間をしっかり運用することが今では大切とも言えます。
いざ立ち上げる段階で、集客はどうしよう…と悩むのでは遅いくらいになってしまっているので、ECを将来的に立ち上げるという事であればそのための事前準備、施策もあらかじめ準備しておくというのが大切になってきているかなと思います。
その上で、それぞれの特徴を見て独自ドメインで運営するかモールを使ってやるかを考えていくのが良いのではないでしょうか。
まとめ
ネットショップの立ち上げに関してまとめてみました。
このあたりのテーマはいわば”永遠のテーマ”とも言えるもので、最終的にどちらが良い・悪いというのはなくどちらが自分たちに合うかになってくるものと言えます。
自分自身、クライアントと提携したり、業務委託を受けてECサイトに携わっていたりもしますし、独自ドメイン店、楽天モール内のショップのどちらも立ち上げも運営も経験をしていますが、どちらもやはり一長一短でメリットもありデメリットもあります。
楽天のモールであればやはりセール期間はそれほど企画などをしなくても一気に売上があがったりする事もありますが制約なども多く手数料的な課題や懸念も当然あります。
独自ドメインで集客をどうするかもずっと付きまとう課題でもありますし、そういった特徴をしっかり踏まえた上でどうするかを考えて行くのが良いと言えそうです。
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