ついついやってしまいがちなミス?
ネットショップでは何でも屋さんは極力避けた方が良い
最近ではネットショップの作成や運営のお手伝いをしている事もあってか、ありがたいことにそういうお問い合わせやご相談もいただく機会も増えてきたのですが、ネットショップを開こうと思っている方に、こういう方が非常に多いです。
良い商品を持っている(仕入れられる)。だから、雑貨もやりたい、ファッションもやりたい、せっかくだからインテリアも家電系もいいし、どうせなら全部取り扱うような総合的なお店でやれば絶対勝てると思うから手伝って欲しい。
まぁ知ってるというか分かっている人が聞けば一発で辞めた方が良いですよと言うのは間違いないとは思うのですが、意外とこういう事を言う人は今もまだまだ多いです。
当然、経験者であればこういった事を言う人はほぼ皆無かと思いますが、あえて結論から言いますと、ネットショップにおいて、上記のようないわゆる何でも屋というのは、確実に避けるべきです。
よほどの大企業でブランド力などがあるショップなら別かもしれませんが、小さな企業がこういった事をやるのは、言ってしまえばどう足掻いても勝てない戦いに挑んでいるのと等しいのです。
最近立て続けに2件ほど同じようなご相談を受けたので、改めてこのテーマで書いて見たいと思った次第で、なぜ何でも屋というのは避けなければいけないのか?について、まとめてみたいと思います。
そもそも何屋で勝負するのか
今の世の中はモノで溢れている世界です。
極論を言ってしまえば、自分たちのお店が無かったとしてもよほどの会社・製品でない限りは明日もほとんどの人に大きな影響を与える事無く時間は過ぎていきます。
それくらいに今の世の中は商品が溢れてしまっていて、選んでもらうことが非常に難しくなってきてしまっているのです。
特にネットショップというのは実店舗と違い立地の影響を受けません。
これは全国、もっと大きなくくりで言えば世界中の人がお客様になる可能性があるため非常に大きなメリットでもあります。
しかしながら、これは逆を考えれば全国、世界中の店が競合になりえるという事でもあり、あらゆるお店と価格や品質やサポートなどで争っていかなければならないということでもあります。
だからこそパッと見て何屋なのかが大事
そんな様々なお店がライバル・競合店になる可能性の高いオンラインショップだからこそ、自分たちが扱う商品、お店が何を売っていているのかというのをパッと見た瞬間にユーザーに知ってもらわなければならないのです。
先ほどの逆を言えば、何でも屋さんをするという事であれば、あらゆる商品が揃いあらゆる決済が用意され、早ければ翌日には届くようなAmazonやヨドバシカメラに、自分たちのサイトが勝てる理由を一瞬でユーザーに理解してもらう必要があります。
そうでないと、それならAmazonで良いでしょ。ヨドバシで買った方が安心。と売れない何でも屋になってしまうわけです。
ネットショップは商品を探しやすくしなければならない
ネットショップを運営するにあたり、確かに商品数が多いというのはいいことでもあり、必要なことです。ですが、逆に言えば、多ければ多いだけ、探したり見つける時には大変になります。
冒頭に述べたように、いろいろな商品を扱っていた場合、サイトに訪れた人たちが、色々な商品を扱っているお店を見て、何のショップか判断ができるのか?ということです。
何でも売っているお店というのは、裏を返せば、何を売っているかわからないお店になってしまうのです。
自分の生活を思い返してみてください。
料理をするために必要な食材はスーパーであったり、電気が切れて必要になった時は、電気店であったり、薬が必要な時は薬局であったりと、必要なモノはそれぞれそのスペシャリスト的なお店、いわゆる専門店で買ってることがほとんどではないでしょうか。
もっとわかりやすく言えば、スーパーでエアコンが売っていたとして買いますか?全く同じ品質の宝石がコンビニで売ってて買いますか?という話ですね。ほとんどの人が結局専門店で買うということになります。
何でも屋は、何にもない屋さんになりやすい
何でも揃うということは、逆に言えばこれといった売り・専門性が無いという事でもあります。
先ほども書いたように、自分が普段の生活で何かを買うときというのは、これが日用品的なものであれば、コンビニやドラッグストアなどで買えるかもしれませんが、そうでなければ、その専門的な店で買いやすい傾向があります。
車のカー用品を買おうと思ったら多くの人は車専門店で買います。
服を買おうと思ったら、アパレルショップに出向きますし、時計を買おうと思ったら時計屋など専門店かそれに近しいお店に出向きます。
ネットショップもこれと同じです。
ネットであり実際の店舗のように場所代がかからないからといって、何でもかんでも取り扱い商品を増やすということは、自ら専門性を無くし特徴を捨ててしまっているという事でしかありません。
自分がもし、何かのカーナビを買おうと思った時、車専門店や、もっと言えばカーナビ専門店で買うのか、それとも、車用品も売っていて、服も売っていて、時計も売っているお店で買いたいかを考えてみれば一目瞭然です。
ほとんどの人は、車専門店、もしあるならカーナビ専門店の方で買うはずです。
それくらい、専門店というのはその商品ジャンルに関しては強いイメージがありますし、何でも揃う=何でも揃うが故に、専門性が低いとなりがちです。
何でも屋のネットショップはリピーターがつきにくい
また、何でも屋というのは、色々な商品を扱っているため、検索から来たりするなど、入り口の窓口が広いことがメリットとなる可能性もありますが、逆に、そのお店がいい!といって買ってくれるお客様はほとんど皆無になってしまいます。
そうなると、値段が安いお店を調べて、たまたま見つけたからじゃぁここでいいかな。といった購入になってしまい、ネットショップで重要な要素となるリピーターがつきにくくなってしまいます。
何でも屋は価格競争になりやすい
何でも屋は、色んな商品を扱うという性質から、オリジナリティに富んだ商品を集めることが非常に難しいです。そのため、色々なところで同じような商品が売っているという結果につながります。
いわゆるホームセンターみたいな感じになりがちです。
もっと言えばホームセンターほどに商品を揃えることができないはずです。
リアルショップなら、距離などがあったり、接客対応、店員の知識などや商品の陳列など、色々な工夫ができるかもしれませんし、ネットのようにすぐ他の店で検索といった事もできませんので、多少の値段の差がそこまで購入に対する重要性というのはなかったりします。
これがネットショップだと、話を聞いて買えるわけでもないですし、商品のディスプレイも生で見れるわけでもありません。もっと言えば、たった1回検索して別のお店で調べれば、安い店がすぐ見つかってしまいます。
色々なところで売っている商品であれば、値段が一番安いお店で買いたいと思うのが、人間の心理です。そのため、何でも屋=色々な商品がある代わりに、色んなところで売っている=安いところで買う=価格競争で値下げ勝負になっていく。
こういった悪循環になってしまいます。
もちろん何でも屋がダメではない
何でも屋がダメなのか?というと、決してそうではありません。
他のショップとの明確な違いをしっかりと打ち出し、しっかりと運営していくとリピーターもしっかり付いてくれるところもあります。
逆にそこまで行けば、何でも揃うからこそここで買えば安心といった形になります。
実際の今のホームセンターなどはそういう傾向がありますし、コンビニやドラッグストアなどもどんどん扱いジャンルを増やしています。
ここまで行く事ができるなら、しっかりとした商品入荷をすることで、価格競争を避けることもできます。
実際は販路を広げて何でも屋に近い形が理想
実際に今ある多くのネットショップの様々な商品を売っているお店も、最初からそれらを扱っていたわけではなく、最初は小さく初めて売れていったことからどんどん手を広げていったというのが正しいです。
ダイエット食品から始めてみたらヒットしたので、そこから美をテーマにしたものにし、健康をテーマにしていくように広げていくことで、結果として幅広いジャンルの商品を扱うお店になっているというのはよくあるパターンでもあります。
ただ、こうなるためにはかなりの経験と知識とマネージメント力が問われますし、右肩上がりでどんどん売上があがっていく必要もあり、拡大するための資本力も膨大でなければ難しいがの現実です。
それほど経験のない方で、単純に色々な商品がある方が、見る方としても楽しくていいんじゃないか?といった考えで何でも屋を運営しようと思うのなら、それは避けた方が無難というのはネットショップ運営を経験した事がある人なら誰もが思う点です。
どういったショップが理想なのか?というのは、また後日お話しできればとは思いますが、まずは自分が一番得意とできるジャンル、なんならネットであれば尖れば尖るだけ同じような属性の人からは熱狂的に好かれたりもするものですから、そういった方面で考えていく方が良いですね。
まとめ
最近はネットショップに関わる事が増えたため、それに関するご相談を多くいただくのですが、中でもとにかく何でも売りたい、売る商品はある(引っ張ってこれる)という相談がなぜか立て続けにきたのでまとめてみました。
結論を言えば、それで失敗してきた先駆者たちがたっっっくさんいます。
そういうのはあまり表に出ないですし、仮に見たとしても謎の自信で自分ならうまくやれると思っている人も多いのですが、かなりの確率で失敗してしまいます。
何でも売っているお店は順序が逆で最初からそうだったわけではなく、売れていったことでどんどん商品を増やしてカテゴリを増やしていった結果、色々なアイテム・商品を販売しているという流れがほとんどです。
その流れを無視できるのは超巨大資本を持つ企業くらいなので、やはりネットというのは専門性だからこそ生きて行きやすいところもありますし、比較検討なども一瞬で出来てしまう事などから、何でも屋は避けられやすい傾向に強いです。
そういった自分の強みを活かせるところで、まずはしっかりと地に足着けた運営を心がけていきましょう。
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