手首骨折でかかった費用について
手術や入院などお金や高額医療費制度について
手首骨折した時のまとめをしていますが、今回は改めて「費用」という観点でまとめてみたいと思います。入院に手術にということでやはり結構な金額が飛ぶと言えば飛ぶのは間違いありません。
結局いくらかかったのか、何か注意しておくことはあるのかなど気にはなるものの、骨折中だと他のことでも頭がいっぱいでとりあえず早く治療して早く復帰しなければ…の方に意識もいきがちなので、後になって勿体なかったなーというのも多少はあったりします。
ということで今回は終わった今だから話せる総まとめ的な感じで、回の入院・骨折に関する費用についてまとめていきたいと思います。
高額医療費制度のおかげでそこまではかからない
まず結論だけを言うと、入院・手術に関して特に医療費では日本の健康保険制度のおかげもあってそこまでべらぼうに高い金額を払わなければならないという事はありません。
事前検査やリハビリなどでは都度都度、その時に支払っていく感じではありますが、特にまとめて大金を支払うとすれば、やはりこの入院し手術をした後、退院時の精算かと思います。
実際に支払う額は所得に応じて決まる
実際に支払う費用は高額医療費制度のおかげで、所得によって5つの区分に分かれて支払い額が決まっています。年収(所得)が高めなら高く、低めなら低くなるという仕組みですが、まぁだいたいの一般の人なら、区分「イ」「ウ」「エ」あたりが多いのではないかなと思います。
参考:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3030/r150/
区分「エ」であれば57,600円で済みますし、逆に区分「イ」の場合は167,400円+(総医療費※1-558,000円)×1%)という計算のため、20万弱とかになるのではないかなと思います。
フリーランスや1人事業主なら前年度の事業がどれくらいだったかで決まりますし、1人法人でも給与は事前に決めているはずなので、このあたりはもうどうするという事はできませんのでそれに合った額を支払うという形になります。
ただ高額と言えば高額なのかもしれませんが、アメリカとかニュースでよくみる海外のような金額ではないのは助かりますね。
70歳未満は21,000円支払ったもののみ対象
注意点の1個目としては、自己負担額が21,000円を超えたもののみがこの高額医療費制度に合算できる対象となります。70歳以上の方なら全てが対象という見事なお年寄り優遇なのですが、70歳未満の場合は自己負担額が21,000円以上支払った分のみが高額医療費制度で合算できる対象です。
そのため、入院して手術して退院した後に他の何か医院や歯科などにいって保険治療をして、仮にそこで保険治療をして数千円を支払ったとしても、それは合算できる対象にならないので注意が必要です。
もちろん保険分のみが対象になります。
入院時の食事や個室代、その他諸々のレンタル費などは全く別枠となってきます。
リハビリなども結果的に高額医療費制度の対象外
保険治療で自己負担額が21,000円を超えるというのはそうそう無いと思うので、ほとんどの方が手首骨折においては入院手術に関連したものだけが対象という形になるのかなと思います。
手術し退院後は何度もリハビリに通ったりする必要がありますが、そのリハビリに必要な支払いは高額医療費の枠には入らないため、全てリハビリ終了後に通常の診察と同じように現地精算で支払って帰るかたちになります。
ただ、高額医療費制度とは別に「医療費控除」があり、1年間で10万円を超えた支払い分は返ってくる制度もあるので、いつ、何に、いくら支払ったのかは記録として残しておくと良いかなと思います。
年度末に返ってくる金額とそれにかかる手間や工数などを逆算してやるかどうか決めると良いのかなと思います。ちなみに自分はほとんどこの1年間、医療機関にかかってなかったのでやりませんでした。
高額医療費制度は後で返ってくる制度
注意しなければいけないのは、高額医療費制度というのはいったんは自分で全額立て替えた後に、超えた分の金額を申請して返ってくるという制度になっています。
まずは退院時に窓口で全額支払う必要があり、そこで支払った後に自分が属する保険協会に高額医療費の支給を申請して認められたら返ってくるという形になっています。(ただ後述しますが今はその限りではありません)
そのため、特に何もしなければ、窓口で支払う額は高額医療費制度の上限額ではなく、いったんかかった費用を支払う額でその超えた分が後から返ってくるという形になるため、まとまった金額を支払う必要があるため注意が必要です。
病院窓口での支払い時に自己負担限度額にする方法
とはいえ、それだと退院時に大金を用意しておかなければならないという事になります。
カード支払いなどでも場合によっては限度額だったり、1回の支払いの額が大きすぎてカード会社からなにかしらのストップがかかるなんて事もありえなくもありません。
手首骨折での手術後の退院は、いわば利き手が全く使えない状況で、さらに入院の時に持ってきた荷物一式を全て持った上で退院手続きをすることになるので、なんなら財布出すのにすら、左手のみで荷物を持ちながらカバンをあけて財布を取り出してとなるので、非常に手間を取ることになります。
そうならないためにも、今は病院の窓口での支払時に、あらかじめ自己負担限度額までの額で支払いをするための事前申請というのが用意されています。
限度額適用認定証があれば支払いが限度額までになる
こういった手術は事前に限度額は超えるというのがわかっているため、事前申請をする形を取っておけば、窓口で立て替えて、後で申請して返ってくるなんて無駄を省けて大金を用意する必要もありません。
限度額適用認定証と言われるものを取得して提出すれば、この対象となります。
ただこの限度額適用認定証の取得自体も、当初は自分が属する保険協会に申請をして交付された後に病院に提出という手間がありました。
今は病院で本人同意すればオンラインで取得が可能に
それだと結局色々申請して手続きをして、、、という手間がありましたが、令和3年に改正されたということで、これが病院側でオンラインにてこの認定証の取得ができるようになりました。
ただしいつでも誰でもできるというわけではなく、
- 病院側がオンライン資格確認のシステムを導入している
- 本人が病院側に年収などの個人情報を見る事に同意する
という2点をクリアすることで、オンラインで限度額適用認定証が取得できるようになります。
- 自分の年収や所得を調べても良いという同意書を書く
- 受付の方が同意書を元に、所得を調査
- 自分が高額医療費制度の区分のどこに当たるのかを確定
- その区分に沿った支払い額を退院時の精算で支払う
こういった流れになります。
病院側がオンラインで取得できるシステムさえ導入していれば、だいたいは入院手続きの時に病院の受付側からどうしますか?的なことやアドバイスをしてくれると思いますし、自分はそういう事でこれを利用して支払いました。
結果的に自分がしたのは、自分の情報を見ても良いかという同意書にサインをしただけで、後は区分を教えてもらってそれにあった費用を用意しておく。というだけで済みました。
複数病院で診察の場合は考慮されない
ただしこの病院側でやってもらう場合、あくまでもその病院での入院・手術などに関する支払い分での対応となってしまいます。
そのため今回の自分のように、いったん応急処置のために別の病院で診察や整復をしてもらって21,000円分を超えた支払いをしていたとしても、これを合算して精算などはしてくれません。
自分はこれを完全に見落としていて後になって気付いたので、最初の救急病院で支払っていた「21,050円」が合算されないまま進めてしまいました。
複数の病院にかかって高額医療費制度を利用する場合、全てを合算して行うのであれば後で自分で申請してやる必要があります。とはいえ、自分が加入している保険組合に連絡をして、説明をすれば問題なく処理が進められます。
自分も後でこの事に気付いたので、加入している保険組合に連絡を入れて説明をして処理をしました。ちなみに余談ですが、対象は21,000円以上ということで、自分が救急病院で支払ったのが21,050円だったので、ほとんどピッタリな価格ですねー。と窓口の方と盛り上がりました。
高額医療費制度は1ヵ月(暦月)単位のため注意
まさにこれは自分が当てはまったケースです。
この高額医療費というのはあくまでも同一の月単位で判断されることになります。
そのため今回のように例えば2泊3日の入院と手術というのが、月末~翌月という形になってしまうと、翌月にかかる費用は別枠ということになってしまいます。
自分はまさにこれに該当するスケジュールになってしまい、
- 9/29に入院
- 9/30に手術
- 10/1に退院
という流れでした。
そのため9/29、9/30は高額医療費制度でまとめて精算できたのですが、10/1は9月分と合算ができないため、別の月として換算になるので、そこの分は高額医療費に該当しないため普通に支払わなければならず、ちょっと割高になったという感じです。
手術日に余裕があるなら月初などにした方が良いかも
自分の場合は手術は最短のなるはやで手術をしなければいけないという状況でもあったので、あまりそのあたりを自由に考えて決められる余地はなかったのですが、手術・入院などがからんでくる場合は、そのあたりはちょっとした注意点ではあります。
なにかあって月をまたぐことを考えたら、自分のように月末に行うよりかは月初に行っておく方が月をまたぐ心配も無いので良いのかもしれませんね。
結果的に全部でいくら払うのか
最後にまとめとしていくら払うのかです。
多くの人がこれ一番気にするだろうなと思うのですが、残念なお知らせです。
年収(所得)で倍以上に支払い額に差がでる
上でも書いたように、高額医療費制度は年収・所得によって区分が分かれてしまい、これによって結構な差が出ます。
そのため、結果的にいくら払うかはその人の所得によって高額医療費制度の区分が変わるのでそこは個人個人に当てはめてもらえればと思います。
実際に骨折から退院までで支払うもの
一応、骨折してから退院しある程度完治と判断できるまでに支払うものとしては下記のようなイメージです。
入院・手術までの通院や治療費
だいたいの目安としては数千円~1万円くらいではないでしょうか。
自分は救急での応急処置もあったので、その応急処置と再検査など含めてで4万ちょっとくらいだった気がします。
入院・手術の費用(高額医療費制度に該当)
ここは所得で大きく変わってくるところになります。
住民税が非課税の方だと3万台、年収1,000万超える高額所得者だと30万円くらいになってきます。
日本の平均的な所得の300万~500万くらいで考えたら5万~10万が多いラインなのかなとも思います。
保険外のもの
いわゆる食事費だったり、個室を使ったりしたならその差額ベッド代金、さらには病院のレンタルなどを利用したらその費用などでしょうか。
個室を使うか否かで大きく変わるかと思います。
個室を使えば数万円、使わなければ数千円といったところです。
退院後のリハビリ
これは高額医療費制度に該当しないので、都度都度行く度にその場で精算します。
普段よくいく病院のイメージと同じですね。
リハビリして帰る時に支払いという都度払いです。
何度リハビリに行くかで変わりますが、だいたい1回1,000円とかそんな感じなのでそこまで金額がべらぼうに行くほどではないかなと。
だいたいかかる費用としてはこんなイメージです。
やはり所得によって高額医療費の区分が変わるため、そこの変動費が大きいです。
年収(所得)別での支払いイメージ
例えば区分「ア」になった場合は、入院や手術での高額医療費の支払いが30万近くなります。一方で、年収300万くらいだと区分「エ」になり57,600円になるので、ここでかなりの差が出てきます。
あとは個室を使うか、大部屋で過ごすかでも1日あたり1万近く変わってくるので、大きく変わるならそれくらいでしょうかね。
高年収の区分「ア」で個室利用だと、おそらくトータルで40万円くらいは支払う事になりますし、年収300万円くらいの区分「エ」の場合は、個室を使わなければ、10万円は超えないだろうという感じの支払いイメージです。
だいたいの自分の年収や所得は把握できるかと思いますので、それに応じて後は何を使うかで総額いくらくらい必要かというのはイメージできるのではないかなと思います。
ということで、入院から手術における費用面についてでした。
※手首骨折の記事が長くなったため、全ての記事をまとめた一覧ページを作っています。時系列など含め確認できるようにしました。
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